蜂はその種類によって巣のかたちも、大きさも、作る場所も様々です。
ただし、ほとんどの蜂の巣で共通している事は、その蜂にとって、その命をかけてでも守らなければならないものだという事です。
それは自分達の子孫を守る為です。
どんなに温厚な種の蜂でも、巣を攻撃されると判断すると攻撃してきます。
アシナガバチもそうですし、ミツバチもそうです。
ミツバチなどは針が抜けると命を落としてしまいますので、まさに命がけで攻撃を仕掛けます。
スズメバチなどは縄張りに入っただけで、集団で襲われてしまう事も有ります。
それだけ大事なものなのです。
その巣をどの場所に作るかは、蜂にとっても大事な事ですが、私達にとっても注意しなければならない事でしょう。
クマバチの巣の場所はいったいどのような場所が好まれるのでしょうか。
ご説明いたします。
クマバチの巣が作られる場所とは?
クマバチは他の蜂たちと決定的に違う事があります。
それは集団行動をとらないという事です。
女王蜂がいて、沢山の働き蜂やオス蜂という私達のイメージする蜂達とは全く違って単独行動をとります。
その為、私達がよく目にするような軒下におわんの蓋のような形の巣を作る事はしません。
枯れ木等にキツツキのように穴を開け、卵を産み付け、メスのクマバチ一匹で子育てを行うのです。
そういう習性をもつクマバチにとって、巣を作る場所は、家の間にある垣根の枯れ木や、木材、太い枯れ枝。
時には家の柱や梁などの木造の部分です。
その木造部分に大きさ約1.5cm程の穴を1つ開けます。
強い顎穴を掘り進め、そこで越冬もしますし、子育てもします。
蜂の巣というと蜂蜜たっぷりのイメージが強いのですが、蜜は吸いますが、巣に溜め込む事はしません。
花粉と蜜を団子にして幼虫一匹に付き1個与えます。
形として細長く木材を掘り進めるような形になります。
もし、玄関などでクマバチをよく見かけるようになって、細かい木屑が落ちてくるようなら、間違いなく玄関の屋根、縁等に巣を作っていることでしょう。
穴が小さいので、よく見ないと見落としてしまうような場所に、いつも間にか穴を開けられてしまいます。
しかも、この巣は一代限りではなく、代々受け継がれていくものです。
まとめ
イメージというものは恐ろしいもので、あの大きな体のクマバチは、さぞかし大きな巣に住んでいるのだろうと思ってしまいます。
スズメバチと混同してしまい、一年で何十センチにもなる巨大な蜂の巣を想像してしまうのです。
しかし、実際は恐ろしく目立たない場所に作ります。
外から見ただけでは、穴が一つ開いている枯れ木としか解らない程に、ごく自然に巣を作ります。
まさかあの小さい蜂が、柱を堀り進めてしまうとは、想像ができません。
小さい体に大きな力が秘められています。