黄色い体で黒くて丸い大きめ尻という特徴をもつクマバチは、ホバリングといって、空中に停止しているように飛行するのがお得意です。
あの独特の羽音をさせ空中にとどまる姿は、まさに敵に攻撃を仕掛ける直前のヘリコプターのような威圧感があります。
そして突然、何かを見つけたように私達に突進して来ます。
特に3月から5月の春先に多いこのクマバチの行動は、人のみならず、他の種類のハチや、鳥にまで行われます。
そんな独特の行動をとるのが、クマバチのオスです。
しかし、その行動は攻撃を目的とはしていません。
いったいどのような目的でホバリングをしているのでしょうか。
ご説明いたします。
クマバチのメスとホバリングの関係
クマバチのオスは簡単にいうと、メスが来るのをホバリングをして待ち構えています。
そしてその時に、自分の縄張りに入って来たものを追い払おうと突進してきます。
それは、鳥であろうと、人であろうと、なんと自動車であろうと猛烈なスピードで追いかけてきて追い払います。
それだけ縄張り意識は高いと言えます。
ただし、追い払うだけでスズメバチのように集団で攻撃を仕掛けるようなことはなく、脅かして追っ払う程度のことですので、必要以上に怯える必要もありません。
それに、その行動は、メスを探す行動も兼ねての行動で、近づいて行って、その侵入者が、メスのクマバチかどうかを確認しているのです。
そして、もしそれがメスだとすれば、人間で言うならば、そのままデートに誘うわけです。
メスはオスを探す為にホバリングの行動はとりません。
ひたすら花の蜜を吸い、巣作りのための体力を蓄えています。
まとめ
このクマバチの行動が、私達がこの黒い物体を自分達に害のある蜂だと恐れる原因でしょう。
突然に大きなハチが突進して来たら、刺されるかもしれないという恐怖で、一目散に逃げるのが普通だからです。
ただし、黒くて丸いハチであるならば危険はありません。
攻撃してきたのではなく、厳密にいうとメスが来たかの確認の意味合いが強いようです。
確認の為に追い掛け回されることはあっても、それ以上の攻撃はありません。
春先の3月から5月の期間に良くこのホバリングが見受けられるのは、オスがメスを探しているだけなのです。
人間で言うなら、町でナンパをする為にナンパスポットをうろうろしているようなものです。
邪魔するやつは自分の縄張りから追い払い、通りがかった女の子に声ばかりかけてるチャラオ君ぐらいの感覚で、観察してみるのも面白いかもしれませんね。
ただし、それは黒くて丸いクマバチの場合です。
スズメバチだと思ったら、素早く退散して下さい。
ただし慌ててはいけません。
低い姿勢でゆっくりと10m以上離れる必要があります。